目的 †このプロジェクトは哲学,数学,計算機科学,認知科学,生命科学,社会科学など様々な分野でしばしば無反省に用いられる計算という概念を問い直し,それを通じて各分野においてこれまで明らかでなかった問題を浮彫りにすることを目的とする.このプロジェクトは特定の問題の解決を目指すものではなく重要と思われるいくつかの視点を提供しようとするものである (文責三好 2000/09/18). 特色と方針 †計算の哲学(Philosophy of Computation)はいまだ確立した哲学分野ではない. Philosophy of ComputingやPhilosophy of Informationといった 同様の分野を提唱しているグループや個人も存在するが, それぞれの問題意識や取り上げる主題はかなり異なっている. また数学,物理学,生物学の哲学,人工知能,人工生命の哲学, 心の哲学といった隣接する哲学分野との関連, あるいは倫理学,社会学,法学,経済学,経営学, 認知科学,心理学,精神医学,芸術といった 近隣の人文社会科学分野との関連においても様々なバリエーションが考えられる. その中において,この計算の哲学プロジェクトは計算の哲学を 単なる科学哲学の一分野と考えるのではなく, いわゆる分析哲学的アプローチと大陸哲学的アプローチを 結びつける契機をもたらすものとして捉えている点に特徴がある. すなわちこのプロジェクトにおける計算とは単なる数学的物理学的概念ではなく 「現象としての計算」あるいは「野生の計算」であり, それゆえに原理的な再検討をまず必要とした.より広い文脈で言えば, そのような「計算」が自然科学,人文科学,社会科学に関わる哲学的考察を 結びつける一つの鍵となると考えている. 様々な背景を持つ方々がこのプロジェクトに 参加されていることはその現れでもある. このような見方を確立する作業については 過去5年間の活動で,ある程度の見通しがついたと考えており, 今後はそれをより精密かつ具体的に展開することに重点を置いて活動を進めてゆきたい. さらに,このような歴史の浅い分野では,一つの考え方を推し進める一方で 計算について様々な立場をとる人々と 議論を進めてゆくことも重要であると思われるので, 今後はそのような機運を生み出せるようプロジェクトの間口を できるだけ広げてゆきたいと考えている. (文責三好 2005/02/26) |